スピリチュアルケアの重要性

鎌田東二について

哲学者で宗教学者の鎌田東二氏は、上智大学グリーフケア研究所特任教授、京都大学名誉教授、放送大学客員教授であり、さらに神職の資格を保持しています。
一方で、神道ソングライターとして作曲活動も行い、スピリチュアルな著書以外に『水神祥(みなかみあきら)』のペンネームで小説も書いています。

1951年、徳島県生まれ。
現在は、京都大学こころの未来研究センター教授として様々な活躍をしています。
『スピリチュアルケア』に関して、今まさに世界中が必要としているものであると言えるでしょう。
混沌とした世界が抱える、環境問題や自然災害、貧困、犯罪、宗教上の対立、テロや国家間の紛争など、こうした問題が未だ解決を見ることなく地球規模で拡散している現状にあります。
人々は心を病み、生きる意味や苦しいに耐える必要性など、様々な苦悩を抱えています。
スピリチュアリティは、そうした問題を解決するために、非常に大きなパワーを持っていると鎌田氏は説いています。

スピリチュアルケアには特別な看護が必要か?

『スピリチュアルケア』と聞くと、何か霊的な、或いは宗教的な物を感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし実際には、『スピリチュアルケア』には特別なスキルや思想は必要ありませんし、決して難しいものでもありません。
患者さんには、一人一人別々のスピリチュアリティやスピリチュアルペインがあり、痛み、恐怖心、不安感、悲嘆などの苦悩に対して、どう寄り添うかが一つの大きな課題だと言えるでしょう。
実際、医療の現場においても、多かれ少なかれスピリチュアルケアは行われています。
『緩和ケア』と言えば、分かりやすいかもしれませんね。
スピリチュアルケアは、緩和ケアの一環だと捉えると良いでしょう。

例えば、「もう早く死んでしまいたい」という言葉を精神的苦痛と捉えて対応するのと、スピリチュアルペインと捉えて対応するのとでは、異なった対応となるでしょう。
「そんなこと言わないで」「もっと生きてほしい」と反論する言葉で返す対応と、「なぜそんな風に思うの?」と否定せずに寄り添う対応では、患者さんの捉え方は全く異なるものになるでしょう。
死を目の前にした人にとって「早く死んでしまいたい」という言葉には、言葉そのもの以外の深い意味を含んでいることが多くあります。
スピリチュアルケアでは、そうした患者さんの心を汲んだケアが重要だと考えられており、近年、注目されています。

スピリチュアルケアのカウンセラー

ここまでお話ししたように、『スピリチュアルケア』は医療における一つのテーマとなっており、言わば、死が目前に迫った人の“魂に寄り添うケア”です。
そういう意味では、死を目前にした人へのカウンセリングということになりますね。
現在、スピリチュアルカウンセラーという存在は、決して一般的な存在ではありません。
むしろ、医療の現場に携わる看護師や介護職に就く方々が、一種カウンセラーのような役目も担っていると言えるかもしれませんね。

スピリチュアルケアを行う際、患者さんによって対応の仕方は異なりますが、人生の中の様々な事・物・人に対して、感謝の気持ちを持つ方向に導くことが基本となります。
スピリチュアルは目には見えませんが、人が生きる意味や目的を持つことにとても重要で、人生の終末には特に軽視できないものとなります。
人は、自分の人生が終わろうとしているときに、様々な価値観と向き合うことが多くなります。
その際、自分の人生を肯定し、生きる意味や死の先にある自分を肯定することなどが、スピリチュアルペインをケアすることに繋がります。
他者との和解、他者を許すこと、自分を許すことなどで、自分の人生を肯定的に捉えることができるのです。
スピリチュアルケアはそのために行われるもので、現在、一つの有効な方法として注目されています。
これからの医療の現場では、スピリチュアルケアを行う専門家として、カウンセラーが活躍することが期待されるでしょう。

スピリチュアルケアを行う資格

現在、スピリチュアルケアを行う資格として『日本スピリチュアルケア学会』による“スピリチュアルケア師”の資格認定制度が設けられています。
医療の現場以外にも、福祉や教育の現場において、連携を取りながらスピリチュアルケアを行う専門家という立場になります。
“スピリチュアルケア師”の資格は、現在8団体で受けることができ、『認定プログラム』を受けて単位を修得した上で、団体からの推薦で資格審査に合格した者だけが取得することができます。

かつて、スピリチュアルと言えば、一部の特別な人だけが持つ能力、或いは特別な場所で感じることができるものとして捉えられていました。
しかし現在、既にスピリチュアルは特別なものではなく、全ての人が日常的に当たり前に持っているものとして捉えられるようになり、これからの時代、スピリチュアルケアを行うことができる“スピリチュアルケア師”の存在が、様々な現場で活躍することは間違いないでしょう。

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