心理的リアクタンス理論とは?カリギュラ効果とは違うの?

心理的リアクタンス理論とは?

人間は元々、自分の自由を制限されることに抵抗を感じ、行動や選択を自分で決定したいという欲があります。
ですから自由を奪われたり行動を強制されると、それが自分にとってプラスになることであったとしても、反抗的な態度で反発してしまいます。
これは無意識の行動なので、決して悪気があるものではありません。
例えば、今やろうと思っていたことを人に指摘されて「片付けたら?」などと言われたことで、それまでのやる気が失せてしまった経験はありませんか。
子どものころなら、「宿題やりなさい!」や「テレビばっかり観てないで勉強しなさい!」と親に言われて、「今やろうと思ってたのにーー!!」と反発したことがある方も多いのではないでしょうか。
ほとんどの場合、気持ちよく宿題をやれるような心境ではなくなりますよね。
また親や上司や友だちなどに「あなたは〇〇な人だよね」と決めるけるように言われて、反発心を持ったこともあるのではないでしょうか。
それが『心理的リアクタンス』です。

リアクタンスは日本語で“抵抗”という意味で、心理的リアクタンスは自分の決定権や選択権を人に奪われることに抵抗する心理を指しています。
人は自分の行動や選択の自由を欲求として持っているため、その欲求が侵されると無意識に“抵抗”する心理にスイッチが入るのです。
ご自分のことを振り返ってください。
確かに、人に決めつけられたり強要されると、一瞬にして気分が悪くなって抵抗したくなることがありますよね。
そういう意味では、人のモチベーションを上げるためには決めつけや強要をしないで、自由を尊重することが大切だとも言えるでしょう。

心理的リアクタンス理論とカリギュラ効果

では、『カリギュラ効果』という言葉を聞いたことがありますか。
カリギュラ効果は、『禁止されることで逆に興味を持ち、禁止されたことをやりたくなる心理』のことです。

例えば、テレビ番組で「ピーッ!」という音声でタレントさんの発言を消してしまう場面がよく見られますね。
するとそれほど興味のなかったタレントさんの発言であっても、何を言ったのか気になることがあるでしょう。
また学校の校則に「パーマ禁止」とあるとパーマをかけたくなったり、病院から食事制限を言い渡されて食べられないものができると途端にその食べられないものが食べたくなったりします。
禁止されたことをしたくなるのが『カリギュラ効果』なのです。

つまり、自由を制限されると抵抗したくなる『心理的リアクタンス』と、禁止されるとやりたくなる『カリギュラ効果』は関連があるということです。
『カリギュラ効果』の衝動欲求は、『心理的リアクタンス』になるということです。

心理リアクタンスをマーケティングに活かす方法とブーメラン効果

心理的リアクタンスをマーケティングに取り組むことは、顧客のニーズを読み解く必要があります。
現代は商品もサービスもありとあらゆる物が溢れ、様々な分野で細分化しながら企業が成長し続ける必要があります。
企業の成長のためには必然的に社員のモチベーションの向上が必須となり、顧客のニーズに応えるためには社員のケアも重要だと考えられるようになってきました。
例えば営業職において、あまり業績を上げられない社員は、仕事の使命に囚われるあまりに顧客のことを考えることができず、自分本位なセールスとなってしまうケースがあります。
顧客と営業マンの間に既に信頼関係が構築されていれば問題はないかもしれませんが、それほど親しくもない営業マンが一方的なセールスをした場合、大概は「この人からは買いたくない」という心理になるでしょう。
これを『ブーメラン効果』と言います。
営業マンの態度が、自分の意図に反した意思決定をさせてしまうという現象です。

ですからマーケティングにおいて心理リアクタンスを活用するためには、買う買わないの意思決定を顧客に任せて、決して強要しないことです。
商品の長所短所を伝えて、あくまでも押し付けにならないようにおすすめすることが重要ですね。
人の心理には、「押せば引く、引けば押す」という面があるということです。

心理リアクタンスを回避する方法

では、日常生活において、心理的リアクタンスは絶対に避けては通れないのでしょうか。
例えば、親は子どもに対して、子どものためを思うからこそ「勉強しなさい」という言葉を発するのですが、それが心理リアクタンスによって逆効果となれば、子どものためにはどうしたら良いのでしょう。
しかしどんな関係であっても、お互いに心理的リアクタンスを考慮した発言ができれば、抵抗や反発が少なくなることは確かですね。
そうなると無意味にモチベーションを下げることもなくなりますし、揉めたりケンカになることも格段に減るのではないでしょうか。
例で挙げた子どもの勉強に関するケースでは、「勉強しなさい」と命令形で言うよりも「勉強は?」と決定権を子どもに預ける訊き方の方が抵抗は少ないでしょうし、「テレビを観てからやるよ」などと返ってきた返事には「そう、頑張ってね」と客観視することが効果的だと言えるでしょう。

逆に、自分自身も心理的リアクタンスを理解することで、自分にも起こるということを意識する必要があるでしょう。
命令や強要されたとしても、心理的リアクタンスを理解していれば対応は変わります。
心構えがあることで、その命令や強要にはどんな意図があるのか、自分にとってプラスになることなのか、それとも相手が自分本位に言っていることなのか、冷静に判断することが可能となるでしょう。
少なくとも売り言葉に買い言葉で揉めることはなくなりますし、続けることで相手の対応が変わる可能性もあります。

心理的リアクタンスは人間関係に大きな影響を与え、自分自身の生き方や子育てにも影響するということを覚えておくと良いでしょう。

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